NEW2025年04月22日
令和7年度考古学講座「倭国と古代東アジア 交流と諸国興亡の時代」開催のご案内
令和7年度福岡市埋蔵文化財センター考古学講座『倭国と古代東アジア 交流と諸国興亡の時代』を開催いたします。
[ 企画趣旨 ]
福岡市とその周辺地域は、これまでの発掘調査の成果から、古来より朝鮮半島や中国との重要な国際交流拠点であったことが判明しています。弥生時代では、初期の板付遺跡は稲作を、中期の吉武高木遺跡は青銅器を、というように大陸からの新しい文化を受容し、後半期の比恵・那珂遺跡群は「最古の都市」として繁栄していました。古墳時代には、前期の西新町遺跡が「国際交易港」として機能し、中期の吉武遺跡群には渡来人が定住しました。その後、中期後半から後期には半島と深い関係を持つ梅林古墳などの首長墓や有力者の古墳の存在が確認されています。さらに、古墳時代後期から飛鳥時代には比恵・那珂遺跡群が「那津官家」や「筑紫大宰」として外交の窓口となり、飛鳥時代後半には外交や対外交易の窓口として鴻臚館(筑紫館)が成立しました。
このように福岡市域周辺の北部九州地域は、対外交流の窓口であり、東アジアから文化や技術を受容して日本列島各地へ伝える役割を果たしていました。これは、現在の福岡市が「アジアのリーダー都市」を目指す姿とも重ね合わせることができます。
また当時の日本である「倭国」は、北部九州を通じて東アジア諸地域と交流していました。さらに古墳時代の倭国は、朝鮮半島諸国と同盟を結び半島の動乱に関与したとされ、特に百済や加耶との深い関係があった一方、考古資料からは新羅とも友好時期があったと考えられます。
令和7年度考古学講座では、「倭国と古代東アジア 交流と諸国興亡の時代」というテーマを設定し、弥生時代から飛鳥時代までの東アジアとの交流・外交や長距離交易、古墳時代における朝鮮半島諸国との外交・交流関係や半島における倭国の軍事的関与について考古資料を基に探ります。
タイトル:『倭国と古代東アジア 交流と諸国興亡の時代 』(第1~3回)
[ 講演予定 ]
第1回:令和7年7月12日(土) 「弥生時代抗争の背景の変化と高地性集落の東方波及ーその多元的性格と役割の解明をめぐってー」
森岡 秀人 氏 (古代学協会客員研究員)
第2回:令和7年9月20日(土) 「倭軍は百済・加耶連合軍とともに高句麗・新羅両軍といかに戦ったかー戦闘の実相を探るー」
岡安 光彦 氏(日本考古学協会員)
第3回:令和7年12月20日(土) 「古代韓日交流史ー韓半島諸国と倭国諸地域との「交流」と韓半島三国時代諸国の興亡ー」
朴 天秀 氏(大韓民国慶北大學校教授)
第4回:令和8年3月14日(土) 「令和7年度発掘調査総まくり 」
福岡市文化財活用部職員
会場:福岡市博物館1階講堂(福岡市早良区百道浜3丁目1-1 TEL:092-845-5011)
[時間] 13:15~15:00 12:45 受付・開場
※開演時間が昨年度と異なります
[受講者]定員300名(当日受付先着順)※事前申し込みは不要です
うち100名は博物館講座室1で同時中継
※詳細は添付ファイルの令和7年度考古学講座チラシもご参照ください。