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これまでにない石垣の裏込め工法を発見―国史跡福岡城跡上之橋御門石垣修復現場にて―

【2013年6月18日】

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 現在、本市では上之橋御門石垣について、伝統的技法によって本来の姿に積み直す修復工事を平成24年7月から平成26年3月の予定で行っています。

 

現在、本市では上之橋御門石垣について、伝統的技法によって本来の姿に積み直す修復工事を平成24年7月から平成26年3月の予定で行っています。

修復工事では、石垣内部の構造や構築技法の調査、石垣の不安定要因の解明も合わせて実施してきました。その結果、石垣の背後の裏込め礫石層中に、安土桃山から江戸時代の城郭石垣の構築方法を考察する上で重要な資料となる複数の石列を検出し、これまでまったく知られていない「裏込め工法」であることがわかりましたのでお知らせします。

 

 

 今回の石列の発見の意義は、以下のようになります。 

  1)石垣の背後の裏込め層中で発見された石列は、石垣および裏込め構造をさらに補強するとともに、地震などの衝撃を受けた際、震動を吸収し、裏込石の揺れや移動を最小限にとどめ、石垣への影響を低減し、石垣の全体構造の安定化を図る目的のために周到に配置されたものと考えられます。

  2)複数の石列の配置から想定されるこの「裏込め工法」は、福岡城跡では初めて確認されたものです。

 3)全国的にみても、この種の石列が確認された事例は知られておらず、福岡城を築いた黒田氏独自の技術か、安土桃山~江戸時代に築造された城郭で共通して用いられた技術かは今後の類例調査が必要であり、城郭の土木技術史上重要な課題になると考えられます。

  4)現在進めている石垣修復では、今回確認された石列による「裏込め工法」を可能な範囲で復元し、技術的にも伝承しつつ修復工事に反映し活かしていきます。

福岡城を空から見た様子。印のところが発見された場所。

修理前の上之橋御門の石垣。

点線で囲った部分が石垣の補強と衝撃を吸収するために積まれた石列。周囲の石より大ぶりの石を使用している。

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