文化財を見に行こう

8.福岡の古墳時代

印刷する

今宿古墳群の見どころは首長墓の系譜を辿れる11基の前方後円墳です。今回は、その中でも駅に近く比較的歩きやすい古墳群を巡るまち歩きをご紹介します。今宿古墳群は、九州北部地域における古墳時代の政治動向だけでなく、大陸や畿内の中央政権との関わりを知る上でも重要ものと考えられています。これら古墳群を堪能するまち歩きをお楽しみください。

[1] 今宿五郎江遺跡

・弥生時代後期後半から終末(紀元2世紀初め~3世紀)の木製品や青銅器、 土器などが大量に出土しました。 中から線刻文様のある木製の短甲(たんこう=よろい)や漆製品なども見つかっています。

[2] 今宿古墳群(大塚古墳)
 高祖山北麓の低台地上(標高15m)につくられた、古墳時代後期の前方後円墳(6世紀前半の築造)である。  1977年に保存整備のため確認調査を実施した。 主体部は墳丘主軸を東西におき、前方部を西に向ける。墳丘全長64m、後円部の高さ約6mの二段築成である。墳丘のまわりに幅8~12mの堀があり、その外方を幅5mの外堤がめぐる。さらに、その南半部側に幅5メートルの浅い堀...
[3] 今宿古墳群(山の鼻1号墳)
 若八幡宮古墳の東北、今宿バイパスを隔てた丘陵上に築造された前方後円墳である。墳丘は後世の改変を受けているが、発掘調査により墳長44m、後円部径27mくびれ部の幅17m、前方部長20m、前方部幅25mの規模を持つと推定されている。後円部は三段、前方部は二段に築成され、墳丘に葺石を施すことがわかった。埴輪は認められない。後円部の埋葬主体部は削平で残らないが...
[4] 今宿古墳群(若八幡宮古墳)
 今宿バイパス徳永東交差点の南側、若八幡宮神社内にある前方後円墳である。高祖山山塊より派生する標高29mの丘陵上に築かれ、前方部を北に向ける。墳長47m、前方部長25m、後円部径25mで、後円部三段、前方部二段の築成で、墳丘には葺石を施す。埋葬主体部は長さ2.75m、幅1.2mの刳貫の舟形木棺(材質はスギ)で、後円部中心に掘られた径13m前後の円形墓壙の中に古墳長...
[5] 今宿古墳群(丸隈山古墳)
 糸島平野東縁にそびえる高祖山(標高416m)から、北方にのびる丘陵先端につくられた古墳時代中期の前方後円墳(5世紀前半の築造)。  墳丘主軸を南北におき、前方部を丘陵端の北に向ける。後円部は、後方の丘陵を大きく削って古墳の形を整えている。墳丘全長は85m、後円部径約60m、同高約8m、福岡市内で最大規模の前方後円墳である。墳丘は三段築成、各段の斜面には葺...
[6] 龍松禅寺

・旧唐津街道に面する寺院で、聖福寺に属する寺(西部寺院)です。境内に置かれた大きな鬼瓦が圧巻です。境内の東側にある小山が丸隈山古墳です。

[7] 塞神社

・旧唐津街道から脇道に入ったところに境内があります。道の神、旅人の神として知られる猿田彦神を祀る神社です。丸隈山古墳のすぐ近くに祀られています。

[8] 伊覩神社

・もともと主船司神社と呼ばれて、江戸前期に松の木天子神社、そして松木天神と名を変えて現在の伊覩神社となりました。境内は旧唐津街道に面し、街道沿いの福岡方面に向かって鳥居が設けられています。毎年7 月には『伊覩神社夏の大祭』が開催され多くの人々で賑わいます。