福岡市の西南部に位置し、博多湾に向かって扇形に展開する早良平野は、背振山に水源を発して北流する室見川によって形成された沖積平野で、東側 を飯倉丘陵、西側を長垂丘陵で限られている。かっては長閑な田園地帯であったが、昭和40年代以降、道路新設や宅地開発が進行し、現在では平野部と丘陵部 のほぼ全域が都市化されている。これらの開発に伴い、埋蔵文化財の発掘調査も数多く行なわれ、次々と重要な遺跡が発見されている。
この周遊 コースは、室見川東岸地域でこれまで発掘調査された遺跡をはじめ、戦国時代古城跡、名勝に指定されている庭園、国宝の梵鐘、中世の石塔など各種の文化財を 巡る広域的なコースである。起点が地下鉄室見駅、終点が背振山中の曲淵と距離が長く、さらに山城を含むため、車と徒歩を併用した周遊が必要である。