
Collection No. 60
地名を刻んだ甕(刻書須恵器) (古代 8世紀)
- 分類
- 土器・土製品
- 時代
- 古代
- 遺跡名
- 都地泉水1次
須恵器の大甕の口の部分の破片で、口縁部にそって文字が刻まれている。1番目は上が少し欠けているが「可」の字、2番目と3番目はわかりやすく、「郡」と「乎」である。最後の字は上の「乎」字からの続きも考え、「佐」と読んだ。「乎」とあわせて「乎佐(おさ)」という地名ではないかと推測され、乎左とは現在の南区日佐と考えられる。日佐は古代には那珂郡に属していた。そうすると最初の字は那珂の珂と読め、全体で「(那)珂郡乎佐」という地名を刻んだと考えられる。しかし、出土した都地泉水遺跡は早良郡、なぜ那珂郡の地名を刻んだ甕があるのか?
遺跡の周辺では、奈良時代の官衙建物や製鉄炉が多く見つかっており、これらの遺跡と関連があると考えられる。