三稜尖頭器

Collection No. 73

三稜尖頭器(さんりょうせんとうき) (旧石器)

分類
石器・石製品
時代
旧石器
遺跡名
香椎A6次

尖頭器とは、片方(先端)を尖らせて作り、もう片方(基部)を棒の先(頭)にとりつけた道具で、狩りや戦いに使う「狩猟具」「武器」の一種である。「槍先」「刺突具」とも呼ぶ。この尖頭器は後期旧石器時代(約2万年前)のもので、真ん中を横に切ったときの形(断面)が三角形になることから「三稜」(三つの角がある)尖頭器と名付けられた。全体のかたちから角錐状石器と呼ぶこともある。
材料は、サヌ力イトという硬い石で、細長いわりには厚みのある作りをしている。これは、動物の体に突き刺すという目的のために選ばれた材料とかたちであり、後の時代の金属製の「槍先」にも共通する「性能」をもつ。この尖頭器も実際の狩りの場で活躍したと考えられる。
石という自然の材料を削って加工し、人が生きるために必要な性能をもたせる。旧石器時代ならではの「質実剛健さ」を感じる逸品である。