有文木製品

Collection No. 125

有文木製品 (弥生中期から古墳前期)

分類
木・繊維製品
時代
弥生古墳
遺跡名
元岡・桑原42次

この有文木製品は、復元すると直径35センチほどの円盤形を呈しており、中心に丸い透かしが入っていたと考えられる。
表・裏ともに重孤文(じゅうこもん)(同心円状の文様)、鋸歯文(きょしもん)(三角形を連続して並べたのこぎりのような文様)などが複雑に組み合わせて彫られている。
文様の緻密さ、彫りの深さが均一であることから、熟練した腕を持つ人物が作ったのではないかと推測される。
また、全体に赤色顔料も塗られ、作られた当時は、華やかで人目を引くようなものだっただろう。
用途については明確にわかっておらず、さしば(儀式などで貴人に差し掛けて顔を覆う道具)、盾(たて)、あるいは何らかの標識など様々な説がある。
二千年以上前に生きていた人々の豊かな想像力、卓抜した技術、美的センスがうかがえる逸品である。