木鏃(もくぞく)

Collection No. 121

木鏃(もくぞく) (弥生後期から古墳前期 2から3世紀頃)

分類
木・繊維製品
時代
弥生古墳
遺跡名
右:那珂君休6次 左:下月隈C5次

古代の矢の先端に取り付ける鏃(やじり)には、一般的に石や金属が使われるが中には木で作られた「木鏃」もある。これは鳥撃ちに使ったという説もあるが、先端が鋭く三角形に加工されるなど、一般的な木鏃に比べて精緻な加工が施されている。先端部の形状は古代中国で使われた弩(ど、いしゆみ)の鏃とされる三翼鏃(さんよくぞく)にも似る。
弩は中国で秘密兵器とされ国外には伝わらなかったと考えられている。実は密かに日本にも弩が伝来していたのか、それとも鏃の形だけが伝わったのか、あるいは偶然の類似か、その解明には更なる発見や研究が必要である。