青白磁 平形合子

Collection No. 406

青白磁 平形合子 (中世 鎌倉)

分類
陶磁器
時代
中世
遺跡名
博多遺跡群

青白磁(せいはくじ)の「合子(ごうす)」で身には蓋をうける部分がつくられ,蓋とセットで用をなす小さな容器である。「影青(いんちん)」ともよばれる青白磁(せいはくじ)は,釉薬(ゆうやく)が模様にたまって水色を呈する美しさから,中国宋代に江西省景徳鎮窯(こうせいしょうけいとくちんよう)などで盛んに生産され,平安時代後期から鎌倉時代にかけて日本にも輸出された。蓋には宋代の陶磁器に多くみられる花鳥が表現されることが多いが,展示品には牡丹(ぼたん)と鳳凰(ほうおう)が描かれている。福岡市では,当時国際貿易港として栄えた博多遺跡群などから出土するが,幕府のあった鎌倉や全国に点在する経塚(きょうづか)などからも発見されており,商品として流通し,有力層に珍重されたであろうことがわかる。
 青白磁の合子は,中国でも日本でも,お墓や寺院,経塚などから出土しており,中にお香や砂金,白粉(おしろい)をいれた痕跡があることもわかっている。現在でも同形の容器は,仏具や茶道具の香合(こうごう)として使用される。
 中世博多に暮らした人々は美しい小さな合子に何をいれたのだろうか。