事前調査のための様々な機器を備えています。
人間が普段見ている可視光線よりも波長が短くエネルギーの強いＸ線を使い、肉眼で見ることのできない資料内部の状況を観察します。
木の板に墨で文字や絵を描いた木簡は、木の変色や汚れによって見にくくなっています。 赤外線は可視光線よりも波長が長く、汚れを通り抜けて墨に届き吸収されます。 これを専用のカメラやスキャナーで読みとることにより墨書を鮮明に観察します。
可視光線ではなく細く絞った電子線を対象物の表面に走査させて、細かい凹凸などを観察する顕微鏡です。20倍から数千倍まで拡大できます。
資料に光を照射して、反射した光（像）をCCDカメラで検知、デジタル処理によって拡大し、モニター上で観察するものです。実体顕微鏡よりも高倍率（20～180倍）での観察が可能です。
デジタルによる観察のため、画面上での計測や画像の合成、三次元化など、様々な機能が付加されています。
可視光線を使った顕微鏡で、資料を拡大して観察します。0.63～5倍の倍率が得られます。
資料にX線を当てて資料に含まれる元素の種類を調べます。顔料や金属、ガラスなど無機物の材質調査に用います。
資料を構成する結晶構造を調べる装置です。鉱物や顔料の種類や、腐食生成物の分析などに用います。
木製品の仮保管から保存処理までをおこなう部屋です。
大型資料を水に漬けて保管するための水槽です。幅２ｍ・長さ10ｍのものが３基と、同じ幅で長さが５ｍのものが１基あります。
木製品に含まれる水分をPEGに置き換えるための水槽です。温水や温風を使って槽内の水を加熱し、温度を一定に保ちます。長さ６ｍ・３ｍ・２ｍの３台が稼働しています。
庫内を－40℃にして資料を凍らせて、更に真空にすることで資料を変形させることなく乾燥させます。
金属器のクリーニングや薬品を使った処理などを行う部屋です。
圧縮空気を細いノズルから金属の細かい粉と共に噴出し、金属器の錆や土を吹き飛ばします。
ドリルのように先端が回転します。主に鉄製品の錆を削り落とすのに用います。
庫内の温度を一定に保ちます。金属器に含まれる水分の乾燥に用います。
保存処理に使う薬品や有機溶剤のガスを作業者が吸い込まないように強制的に外部に排出します。
資料内部に保護・強化用のアクリル樹脂を強制的に染み込ませるための装置です。
