旧山下家住宅
副 称 | 附 明治八年(1875)の棟札 |
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指 定 | 市指定 |
区 分 | 有形文化財 |
種 別 | 建造物 |
所 在 地 | 福岡市西区能古1624番地 |
時 代 | 明治 |
所 有 者 | 久保田観光㈱ |
紹介文
姪浜漁港の傍らにあった明治8(1875)年建築の町家である。建築年代が明らかな町家のうち福岡市で最も古い町家。住宅の特徴は、正面間口が狭い竪長の町家形式ではなく、正面間口六間で広いことと、一階「どま」床が約二九坪で、全体の建築面積四五坪の65パーセントを占めることにある。「どま」が広いため、出入口は一間の大戸口と、それとは別に東側に三間あって、各柱間に板戸横落し込みで開閉するようになっている。特に南より二本目の正面柱は鴨居より下部を取り外し可能にしているため間口二間の広さとなり、「どま」に直接車力やリヤカーなどが出入りすることができる。
主屋の屋根は北側が入母屋造り、南側が切妻造りであり、主屋南側には元は切妻造りの倉庫が隣接し、主屋の「どま」から片引き戸で出入り出来るようになっていた。
本住宅は昭和12(1937)年山下家の所有となり、平成10(1998)年現所有者の手により、改造部分を建築当初の姿にもどして移築復元されたものである。
姪浜はかつて藩米を大坂や江戸に回漕した五ヶ浦廻船(能古・浜崎・今津・宮浦・唐泊)の基地として繁栄した浦である。本住宅はその地に西嶋家が明治8年(1875)に建てたもので、江戸時代以来の西嶋家の屋号「井桁屋」を称し、海産物を中心とした問屋を経営していた建物である。
広い「どま」を活かすための出入口の工夫、店の間の弓状の階段や2階の手すりなど接客・居住空間に施された細やかな意匠に、当時の大工棟梁の優れた技量が見られるとともに、問屋としての建物の特徴を構造的にも示している。
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