戸原麦尾遺跡
紹介文
戸原麦尾(とばらむぎお)遺跡は多々良浄水場を建設する前の発掘調査によって、鎌倉時代から室町時代初期の名主(みょうしゅ)層の館(屋形)の跡や村落の跡が発見された。
発掘された遺構は、掘立柱建物(住居や倉庫・作業場など)、井戸、鍛冶炉、ごみ穴、そして土坑墓や木棺墓などのお墓である。館のまわりには一辺が約50mの土塁がコの字形に巡っていた。
遺構の中から、土師器(はじき)・須恵器(すえき)・瓦器(がき)などの日常生活用の国産土器や中国との貿易によってもたらされた青磁・白磁・陶器などが出土している。木棺墓には、青銅で作られた鳳凰(ほうおう)の文様のある柄鏡(えかがみ)・花弁の形をした鏡、ガラスの小玉などが副葬されていた。
また、平安時代の大きな溝からは雨乞い祈願の絵馬も出土しており、当時の人々の水に対する厚い信仰の一端を知る貴重な資料となっている。
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