発掘最前線

徳永B遺跡第4次調査の現地説明会を行いました

【2012年06月11日】

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平成24年6月9日(土曜日)、福岡市埋蔵文化財調査課は西区の徳永B遺跡(とくながびーいせき)第4次調査で、現地説明会を実施しました。

【調査の概要】
 福岡市埋蔵文化財調査課は現在、伊都土地区画整理事業地内(西区徳永)の徳永B遺跡第4次調査を進めており、2基の古墳をはじめとした多くの成果を得ました。
特に古墳は国史跡 今宿古墳群の中の、山ノ鼻(やまのはな)1号墳、若八幡宮(わかはちまんぐう)古墳にほど近い場所にあり、造られた時代からもそれらの古墳との関連が推測されます。

【発見された古墳について】
 徳永B遺跡がある今宿平野には、およそ500基に及ぶ古墳が確認されています。その中でも、山ノ鼻1号墳、若八幡宮古墳、鋤崎(すきざき)古墳、丸隈山(まるくまやま)古墳、兜塚(かぶとづか)古墳、飯氏二塚(いいじふたつか)古墳、大塚古墳といった前方後円墳は、この地域の首長墓であり、4世紀から6世紀にわたる系譜がたどれることから、「国史跡 今宿古墳群」として指定されています。
 今回発見された2基の古墳の規模は大きなものではありませんが、古墳1には、鍛冶(かじ)に使用する鉄鉗(かなはし)(鉄を挟む道具)など、特徴的な鉄製品などが副葬されていたことから、その被葬者は鉄器生産に携わった、あるいはそれを統括していた人物の可能性があります。古墳時代において、鉄の生産や加工は首長層が掌握していたと考えられることから、古墳1の被葬者は、今宿古墳群の首長層に従う鍛冶工人だったのではないかと推測されます。

※中央に遺体を納めた石室。周囲に溝が巡る。
古墳1全景(東から)

※石室の中央が板石で仕切られ、床面には小石が敷かれる。床面には大刀、剣、鉄鉗などの副葬品が出土。
古墳1の石室

※幅30㎝ほどの石室。玉類が出土。
古墳2の石室