浦江1号墳
紹介文
金武地区農村総合整備事業は2001年度から着手され、浦江地区圃場(ほじょう)整備予定地内の発掘調査によって12基の古墳時代後期古墳が発見された。
古墳は調査地区以外にも広がっており、浦江古墳群(うらえこふんぐん)とよばれている。
第1号墳はこの古墳群でもっとも大きい円墳である。墳丘は直径23~25m、高さ3~4mほどと推定される。墳丘のまわりは幅4mの溝をめぐらしている。
遺体は墳丘のほぼ中央に設けられた横穴式石室(よこあなしきせきしつ)に葬(ほうむ)られた。石室は、玄室(げんしつ)と前室(ぜんしつ)からなっており、遺体を納める玄室は幅約2.2m、奥行き3.1mで床面には平らな石が敷かれている。石室入り口からは墓道(ぼどう)が伸びている。
石室や溝から武器(大刀、鉄鏃(てつぞく))、馬具(轡(くつわ))、装身具(耳環(じかん))などのほか須恵器(すえき)や土師器(はじき)が出土した。
第1号墳の特色は、その規模もさることながら、石室の奥壁(おくへき)を赤色の渦巻(うずま)き状の文様で装飾している点である。同様な装飾を持つものに、吉武K7号墳(市指定史跡)があり、これらの2基の古墳に特徴的な文様といえる。
装飾壁画(そうしょくへきが)を持つ装飾古墳は、熊本県北部の菊池川流域、福岡県南部や遠賀川流域に分布している。本古墳は、博多湾沿岸部では数少ない貴重な装飾古墳である。
現在は埋め戻して保存され、遺跡説明板が立っている。
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