曲淵五重石塔
紹介文
本塔は室町時代の造立と推定される市内でも数少ない層塔である。昭和32年、曲淵小学校前の畑畔にあったものを校庭に移建したものだという。黄褐色の粗質砂岩製で、基礎から相輪上端までの高さは、275cmにおよぶ。地覆、基礎、塔身のほか、上層は軸部を造り出した笠石を重ね、相輪を頂く繁層式であるが、第3層の軸石だけは、第2層笠石の上部を削って別石を嵌めた後補である。基礎と塔身は丈高く、いささか不安定な感を与える。
現在の正面は西向きとなり、塔身の正面には坐像四方仏の浮彫があるが、風化が甚だしく、彫技や尊容は確認できない。他の三面は、無地である。笠石の軒は薙刀反りを呈し、降棟の反りは至って浅く、相輪の伏鉢は円筒状に丈が高い。無銘であるが、建立年代は室町時代と見られる。
伝説によれば、肥後国から小国孫右衛門が落ち来てこの地で没したが、後年その孫娘にあたる尼が尋ねてきて菩提のためこの塔を建て、千部の経を納めたとされている。また、『早良郡志』によれば「朝日さす夕日ちらちら花の木の下小金千両埋め置く」という埋蔵金伝説を示した歌が言い伝えられていたという。
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