万葉歌碑(香椎潟)
紹介文
西鉄香椎宮前駅を降り、JRの踏切を越えた南側(右側)の丘陵が香椎宮頓宮で、坂道を上った左手に歌碑が建つ。神亀五年(728)11月、大宰府の長官大伴旅人、次官小野老、豊後守宇努首男人の三人が香椎宮へ参拝し、その帰り香椎潟に駒を止めてそれぞれ歌を詠んだ。そのいきさつと、三首の歌を万葉仮名で碑に刻む。明治21年、市内では最も早く、内大臣三条実美の揮毫で建立された。『万葉集』巻6・957~959所収。
「いざ子ども 香椎の潟に 白妙の 袖さえぬれて 朝菜摘みてむ」(大伴旅人)
さあみんな、香椎潟で着物の袖までぬらして朝餉の海藻をつもう。
「時つ風 吹くべくなりぬ 香椎潟 潮干の浦に 玉藻刈てな」(小野老)
風が吹きそうになった。香椎潟の潮干の浦で、海藻を刈ろう。
「往き還り 常にわが見し 香椎潟 明日ゆ後には 見む縁も無し」(宇努首男人)
大宰府の行き帰りにいつも見ていた香椎潟だが、(都に帰るので)明日から は見ることもありません。
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