元岡獅子舞
紹介文
元岡の獅子舞は、青木・宇田川原と同型の、旧糸島・早良郡下に流布していたと見られる演劇的要素の強い獅子舞である。
その由来は詳かでないが、江戸時代にその舞楽が伝えられたという伝承がある。現在演じられている獅子舞は明治30年、田尻小学校(現在の元岡小学校)の上棟式に際して、隣村の泊区(前原町)の高江氏に指導を受けて復活したものである。 現在、祇園祭の2日間に上演される。また、不定期には上棟式・厄祝いなどに奉納されている。宇田川原の獅子舞のような盆獅子の習俗はない。
毎年7月中旬の土日に行われる八坂神社の祗園祭で奉納される。獅子は二人立ちで、唄方1人、獅子方は太鼓3人と笛4人である。演目は①門付け ②お猿の3番叟 ③獅子の餌拾い ④萬作太郎の獅子撃 ⑤げんじょとおさん夫婦の餅搗踊 ⑥もぐらの髭剃り ⑦あやとり ⑧獅子と鬼女の8種類があったが、⑤~⑧は現在行われていない。各演目の内容は宇田川原・青木のもと大同小異である。
ここでは、現在行われていない⑥のもぐらの髭剃りについて資料を掲げる。
登場者 もぐら・若者
道 具 扇・手拭
若者場内に扇を持って現われる。次の歌に合せて踊る。
歌 1,高い山からな 谷底見ればな 瓜や茄子がな
花盛りな あっちもこっちも どんどん
2,高い山からな 握り飯こかしゃな 鳥ぁよろこぶな
私飢もじな あっちもこっちも どんどん
3,恋し小川の鵜の鳥見やれな 鮎を喰わえてな
瀬を上るな あっちもこっちも どんどん
若 者 もぐらさん、もぐらさん、あんたそげな姿して、どこに行きよるとな。
もぐら 私は前原い雇女って言う者が出来とるげなけん、やとちん買いに行きよりますとたい。
若 者 そうな。しれじゃ体裁が悪かけん髭ば剃って行きなさい。
もぐら、扇を剃りのかわりにして、研ぐ真似をする。
もぐら 出来ました。
歌 昼はこっちり 桶の輪を締める。夜は新後家女の腰しめる。屁子締める。
歌 よんべ夜這いどんが猫踏み殺いた。買うてまどいやれ三毛猫の男猫
若 者 これで立派な男前になったばい。そこで都々逸の一つも歌うて行きなさい。
もぐらが歌う。
歌 都々逸ぁ下手でもやりくりぁ上手、今朝も七ッやで賞められたぁ。
扇を振りながら引き込む。
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