地蔵菩薩像板碑

紹介文
博多区冷泉公園の南、冷泉小学校北側の一画にセメント床に固定してたつ自然石の板碑である。博多櫛田神社前の密教寺院大乗寺跡から4部分に割れた状態で出土したもので、その後地元有志の手によって接合し現在地にたてられた。床からの高さは180cm、幅は100cm前後を測る。材蛮は安山岩である。
正面中央には雲上蓮台上に右手に錫杖を持っ正面を向いた地蔵菩薩立像、向って左下方に箱を持っ童形の女性立像、右下方に竪琴を持っ男性立像を配し、平彫りに線刻を加えて表現している。脇侍は中国風の特異な姿を呈している。銘文中に「元女姿 楽師」と見えるのはこの脇侍を指すと考えられる。
地蔵菩薩像の下には、中央に紀年銘、その左右に36名の講衆の人名を二段に連ねる。
康永四季乙酉(北朝の年号1345年)の紀年銘から、造立の時期を14世紀中葉に求めることができる。
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