今宿古墳群(丸隈山古墳)
紹介文
糸島平野東縁にそびえる高祖山(標高416m)から、北方にのびる丘陵先端につくられた古墳時代中期の前方後円墳(5世紀前半の築造)。墳丘主軸を南北におき、前方部を丘陵端の北に向ける。後円部は、後方の丘陵を大きく削って古墳の形を整えている。墳丘全長は85m、後円部径約60m、同高約8m、福岡市内で最大規模の前方後円墳である。墳丘は三段築成、各段の斜面には葺石があり、段のテラスに円筒埴輪列がめぐる。
埋葬施設は、後円部中央の上部につくられた横穴式石室である。石室は、入り口部がなくなって、遺体を埋葬する玄室のみであるが、幅2.4m、長さ4m、高さ2mで扁平に打ち割った玄武岩(今山産か)を小口積みにし、天上部は三枚の大石でおおっている。内面には赤色顔料を塗り、初期横穴式石室の特徴を備えている。
玄室内に設けられた二基の組合せ式箱形石棺は、中央壁を共有する珍しい例である。石棺と蓋の石材は唐津産の砂岩と推定され、長持形石棺の影響をうけている。現在の石室の姿は、昭和2年(1927)に復元修理されたものである。
貝原益軒が著わした『筑前国統風土記』によると、寛永6年(1629)に村民によって発掘されたとあり、各種の副葬品が出土したらしい。現在、二面の鏡のほか、巴形銅器、直刀、鉄鏃や、硬玉製勾玉、碧玉製管玉、ガラス小玉などが伝えられている。
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