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志賀島の盆踊り 東区

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1.盆踊り風景 1
指 定 市指定
区 分 民俗文化財
種 別 無形民俗文化財
所 在 地 福岡市東区大字志賀島 
時 代 現在
所 有 者 志賀島の盆踊り保存会

紹介文

 志賀島の盆踊りは、伝承等から少なくとも江戸時代の終わりごろには行われていたものである。20年ほど前までは志賀島所在の荘厳寺から踊り始め、その後初盆の家を回るなどして、8月13日~17日まで踊っていたが、現在は島の入り口にある渡船場横の広場で、16日・17日に踊っている。
 衣装については、以前はそろいの紺のパッチに白足袋姿であったり、振袖に鉢巻、あるいは襷がけであったり、趣向を凝らした仮装をしたりしていたというが、記録によってまちまちで、現在も統一した装いは見られない。
 踊りは両手に綾(あや)を持ち、これを打ち鳴らして踊る点に特徴がある。綾とは小豆を入れた長さ30~50㎝ほどの竹に、紅白の紙を巻いて飾り、両端に切り紙の房をつけたもので、踊りの中でこれを打ち鳴らして拍子をとっている。
 踊り方は、まず輪になり中央を向いてたつ。続いて左足を右斜めに出しながら、綾を頭上から打ち下ろし、右足を右横に開いて左足を寄せる。それから進行方向に右足を出して進みながら、右手で綾を下から2度打ち上げる。以上が一連の所作で、この動作を繰り返して踊る。
 また、唄はかって即興の掛け合いが行われていたため、多くは記録としては残っていないが、その中で定着した20数節が伝えられ、以下のような歌が踊りの際に唄われている。

    サマは三夜の三か月さまよ  宵にチラリと見たばかり
    志賀はよいとこ能古島前に  博多あらしがそよそよと
    沖の瀬の瀬に寄せ打つ波は  可愛い殿ごの度胸さだめ
    あなた百までわしゃ九十九まで  ともに白髪のはゆるまで
    花は小さくなる実はひとつ  九百九十九はあだで咲く
    親の意見となすびの花は  千にひとつのあだはない
    千鳥なけなけ志賀島沖で  明日は出船の別れ綱
    咲いてぼたんと言わりょうよりも  散りて桜と言われたい
    今宵いち夜は浦島太郎  あけてくやしき玉手箱
    露にぬれたる小松の下で  今日も咲いたか恋の花
    志賀と能古島なぜ橋かけぬ  しおは横汐北の風
    花の色香に迷いができて  道を忘れる吉野山
    君と二人で松原行けば  松の露やら涙やら
    志賀の沖には瀬がふたつある  思い切る瀬戸切らぬ瀬と
    お月様さえ夜歩きなさる  わしの夜歩きなぜとめる
    道中雲助花ならつぼみ  どこの宿でも酒酒と
    明かり障子に梅屋と書いて  客は鶯来てとまる
    上を思えば限りはないと  下をみて咲く百合の花
    笹に短冊七夕様よ  思い思いの唄を書く
    志賀の島にも一度はおいで  海の中にも橋がある

 

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