石造宝篋印塔
紹介文
基礎・塔身・笠部・相輪の4部分が積み重ねられ、新設の石積基壇上にたてられている。全高334.5cm、笠部高70.5cm、塔身高47cm、基礎高71cmを測る。材質は花崗岩。相輪は、上部から宝殊・八葉の花台・九輪・八葉の請花・八角の伏鉢からなり、全体がわずかに上すぼみにつくられている。
笠部は、軒上6段、軒下2段、隅飾りは2弧式馬耳形で、隅飾りの側線はやや外側に傾斜している。軒上の最上段は、露盤となり相輪を受ける。
立方体の塔身の四方には、「ウーン 阿閃如来」」「タラーク 宝生如来」、「キリーク 阿弥陀如来」、「アク 不空成就如来」の金剛界四如来の種字を薬研彫りしている。4種字は、各々東南西北に対応する。
基礎は、少し高目で上部に反花の講座を造り出している。近畿地方に多く見られる特徴である。基礎部の2側面には、風化のため判読が困難であるが、以下のような銘が陰刻されている。
結縁衆
藤原兼継
藤原家口
貞和三年丁亥
八月十五日
大檀那
橘□□
貞和三年(北朝の年号1347年)の銘により造立の時期を14世紀中葉に求めることができる。
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