櫛田の銀杏                                             
                                    
                
            
            
            
            
                            
                 
                                    紹介文
 銀杏は中国語読みの影響があってギンナンと発音される。福岡ではギナンといわれたりもする。標準的な和名はイチョウである。葉の形が家鴨の水かきに似るところから、中国で鴨脚といわれ、その発音がヤーチャオであるところからイチョウの名がおこっている。 イチョウは中国原産であるが、その渡来は非常に古く平安時代には知られていたようである。樹勢が強く、剛壮な樹形になって、葉が独特な扇形をするので当時から珍しいこともあって神格木として扱われ、神社、仏閣に多く植栽されてきた。従って各地に老大木が多い。
 櫛田神社境内のイチョウは、大正7年の本樹保存記念碑に樹齢1000年以上と記載されているが、正確なところは不明である。現在の直径が190cmほどであるから、1年間の直径生長が平均して2mmとすると950年となるが、普通はこれより生長はいいので1000年以下であろう。しかし600年は超しており、樹齢の古さからいっても、また樹木規模の大きさからいっても極めて群を抜く、風格のある名木である。
 根張りはなく、太幹が5mほど立ち、ここから幹は数本に分岐して樹冠を広げている。平成元年1月の調査で樹高20.8m、胸高周囲598cm、根元周囲652cm、樹冠の幅は、東側10m、西側7m、北側6m、南側9mの規模である。樹齢が古いため、幹下部にはかなり腐朽が入り、空桐化している。また太枝は多く先端で伐られて短くなっている。
 孤立する大木は極めて風害を受けやすいが、このイチョウもこれまでにかなり台風の害を受けて太枝が折損しており、また落枝を恐れて事前に枝を詰めることもしばしばであるから、本来の姿からはかなり変貌している。最近では昭和62年8月の台風12号で、北東側の太枝3本が折損し、樹形がかなり不整となった。
 樹皮は厚く太枝の分岐部では樹皮にマサキ、ネズミモチ、キズタなどの低木と蔓が鳥の運搬によって種子が落ち、着生生長している。これも老木の風格を強めている。イチョウは適潤肥沃な土地を好み、萌芽性が強く先端の折損がおこっても下方から萌芽によって次第に置かわっていくが、この櫛田のイチョウも冲積の土譲に生え、樹勢はそれほど衰えているとは見えない。参拝客や駐車によっての踏圧が著しいことが重大な影響を与えているが、なお、今後も枝葉を繁茂させていくことと思われる。
 櫛田の銀杏は櫛田神社の神木として古くから広く崇敬されており、博多祝い歌にも「さても見事な櫛田の銀杏、枝も栄ゆりゃ葉も繁る」と謡い囃されている。今後も保存には十分留意していく必要がある。
イチョウは化石時代に栄えた原始的な樹種で、1料1属1種の裸子植物であり、雌雄異株であるが、このイチョウは雌性で、付近の雄木から花粉を受けて秋に沢山の果実を産する。
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