旧福岡市動植物園正門
紹介文
旧福岡市動植物園は、昭和天皇即位記念行事として昭和3(1928)年に計画され、5年後の昭和8(1933)に「御大典記念福岡市動植物園」として当時の東公園内、馬出の地に開園した。その後、太平洋戦争末期の昭和19(1944)年、戦時下の厳しい状況から各地の動物園は閉園に追い込まれ、当動植物園でも猛獣は殺処分、小動物は剥製にされて閉園した。
旧動植物園の地には、昭和24(1949)年に福岡中学校が開校し、旧動植物園の門は学校の正門として利用された。その後、昭和59(1984)年には馬出小学校が当該地に移転し、現在に至っている。
構造は鉄筋コンクリート造。左右対称、同形の門柱2基が向かい合って設置されている。平成4(1922)年に修復が行われ、上部に取り付けられたゾウの頭のオブジェも当初の姿に復元されている。
設計者は不明だが、ゾウの装飾や門柱の形は、ドイツハンブルグ市のハーゲンベック動物園の門を模したとされる。
昭和初期に動物園が設けられ、11年後に閉園せざるを得なかった歴史を証言する遺産として重要であり、しかも場所を変えず、こどもたちに深く関わりながら建ち続けている貴重な文化財である。
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