木製組み合わせ式案(雀居遺跡第4次調査出土)
紹介文
雀居遺跡は、福岡空港の周辺に広がる遺跡で、平成3(1991)年の第1次調査以来、これまでに20か所以上の発掘調査が行われ、縄文時代晩期から中世にかけての幅広い時代の遺構、遺物が確認されている。
低湿地という遺跡の立地上、有機質遺物の残りが良好で、農具や容器などの生活道具から、建築部材、祭祀に関わると考えられる道具など、多種多様な木製品や漆器が出土している。
第4次調査で見つかった、「組み合わせ式案」は、溝の中で土圧によりつぶれた状態で出土した弥生時代後期後半の資料である。「案」とは 長方形の脚つきの台(いわゆる机)のこと。
天板の表面には細かな切り傷が刻まれており、何らかの切断作業をするためのものと考えられるが、組み合わせ式であることから、常時使用するものではなく、強度的にも強い力を加える作業には不向きである。具体的用途については、諸説あるものの、特定には至っていない。
他の遺跡でも、この部材が出土していたが、本資料の発見により初めてその全体像を明らかにし得た学史的にも貴重な資料である。
地図
近隣の文化財
- カテゴリーの紹介
- 建造物
- 絵画
- 彫刻
- 工芸品
- 書跡・典籍・古文書
- 考古資料
- 歴史資料
- 無形文化財
- 無形民俗文化財
- 有形民俗文化財
- 史跡
- 名勝
- 天然記念物
- 文化的景観
- 伝統的建造物群保存地区
- 選定保存技術
- 埋蔵文化財
- その他