1.最古の王墓発見か?なぜ、3号木棺墓は
「最古の王墓」と考えられて
いるのかな?
遺構名 | 出土品 | |
---|---|---|
甕 棺 墓 |
100号 | 細形銅剣(1) |
109号 | 管玉(10) | |
110号 | 銅製腕輪(2)・勾玉(1)・管玉(74) | |
111号 | 管玉(92) | |
115号 | 細形銅剣(1) | |
116号 | 細形銅剣(1) | |
117号 | 細形銅剣(1)・勾玉(1)・管玉(42)・ガラス小玉(1) | |
木 棺 墓 |
1号 | 細形銅剣(1)・管玉(20) |
2号 | 細形銅剣(1)・勾玉(1)・管玉(133) | |
3号 | 細形銅剣(2)・細形銅矛(1)・細形銅戈(1)・銅鏡(1)・勾玉(1)・管玉(95) | |
4号 | 管玉(10) |
ほかに例のない豪華な副葬品
昭和59・60(1984・1985)年に行われた発掘調査で、整然とならんだ弥生時代の木棺墓・甕棺墓の一群が発見されました。一般の墓からは区別された場所に墓域を定めており、主軸を北東方向にそろえ、平面長方形の大きな墓穴を持っています。加えて棺の中には、多くの青銅器や装身具が副葬されていました。
そのため、これらの墓は、一般の人々とは異なる、特定の有力者たちが葬られた墓―特定集団墓―と考えられています。
3号木棺墓
有力者たちの墓である特定集団墓の中でも、特に目を引くものが、この3号木棺墓です。墓群の中央部やや南寄りにあり、平面長方形を呈する墓穴を掘って、その中に組み合わせ式の木棺を納めています。
木棺の中には、銅鏡(多鈕細文鏡)1・銅剣2・銅矛1・銅戈1・ヒスイ製勾玉1・碧玉製管玉95という、質・量ともに優れた副葬品が納められていました。
3号木棺墓の副葬品は、内容が優れているだけではなく、銅鏡・青銅製武器・勾玉という組み合わせにも注目が集まりました。これは、歴代天皇のレガリア(象徴品)である鏡(八咫鏡:やたのかがみ)・剣(草薙剣:くさなぎのつるぎ)・勾玉(八坂瓊勾玉:やさかにのまがたま)という「三種の神器」をほうふつとさせるもので、この3種類をそろえて副葬した墓としては、3号木棺墓は日本で最初のものでした。このことから、この3号木棺墓は「最古の王墓」とよばれるようになりました。