1 謎の大型建物あらわる大型建物は何のために
作られたのかな~?
地面に残された巨大な柱穴
昭和59(1984)年度の調査で、整然と並ぶ直径1~1.5m、深さ0.7~1mの穴が発見されました。これは掘立柱建物の柱穴の跡と考えられています。
掘立柱建物とは、地面に掘った穴の中に柱の根元を入れ、その周りの隙間を埋めて柱を固定した建物のことです。通常の柱穴は直径60~80cm程度であることを考えると、この建物では、とても大きな柱が使われていたことが分かります。
掘立柱建物は、縄文時代から存在しており、近世にいたるまで広く使用され続けました。柱が自立するため、軽易な構造で建物をつくることが可能となりますが、柱が地中にあるため、柱が痛みやすく、耐用年数も短くなるのが欠点です。そのため、遺跡で発見される掘立柱建物には、ひんぱんな建て替えの痕跡が残ることがあります。
弥生時代最大級の大型建物
建物の広さは、最大約14×13m、面積182㎡です。これは畳約112枚分に相当し、弥生時代中期後半(約2,100~2,000年前)では最大級の建物です。この南側でも、一般的なものよりも大きい掘立柱建物群が発見されています。
弥生時代の中期後半は、大型建物建築の盛行期であったようで、九州北部の他地域においても、久保園(くぼぞの)遺跡(福岡県福岡市)や柚比本村(ゆびほんむら)遺跡(佐賀県鳥栖市)などで、面積100㎡を越える大型建物が発見されています。