遺跡のみどころ

吉武高木遺跡を代表する3つの重要遺構と、吉武遺跡群の変遷について紹介します。

  1. 重要遺構1特定集団墓
    1. 1最古の王墓発見か?
    2. 2弥生人の生と死
    3. 3続々と出土する豪華な副葬品
    4. 4有力者たちが眠る場所特定集団墓
    5. 5国の出現と東アジア世界
    6. 6シカに見る弥生人の精神世界
  2. 重要遺構2甕棺墓群「甕棺ロード」
    1. 1甕棺ロードへようこそ
    2. 2甕棺ロードVS特定集団墓
    3. 3弥生のタイムカプセル「甕棺」
    4. 4甕棺の移り変わり
  3. 重要遺構3大型建物
    1. 1謎の大型建物あらわる
    2. 2大型建物の復元
  4. 吉武遺跡群の発展と衰退
特定集団墓

重要遺構1特定集団墓

他地域にさきがけて出現した有力者たちの墓で、中でも優れた副葬品を持つ3号木棺墓は、「最古の王墓」と呼ばれています。

6.シカに見る弥生人の精神世界弥生人の人は、絵にどんな
メッセージを込めたのかな?

特別な場所でみつかった「2頭のシカ」

特定集団墓の中心部で発見された112 号甕棺の下甕には、「2頭のシカ」が描かれていました。上は枝分かれした立派な角をもつオス、下は春先に角が抜けおちたオスか、角のないメスと考えられます。お互いに向きを変え、2頭の間にスペースを取ることで、空間的な広がりも感じさせる仕上がりとなっています。

弥生の絵にかくされたメッセージ

112号甕棺に描かれた「2頭のシカ」
112号甕棺に描かれた「2頭のシカ」

シカは弥生時代によく描かれました。毎年生えかわるシカの角に、イネが発芽して実るまでのサイクルを重ね、生命の循環や再生を祈ったといわれます。―シカの絵の根底にあるのは、死者は祖霊の仲間入りをし、祖霊はふたたび新たな生命として生まれ変わるという再生観であり、甕棺に刻まれたシカには、世を去った者への鎮魂と再生への思いが込められている―、このように考える研究者もいます。

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