那珂川と御笠川流域の博多駅南から春日市に至る丘陵上には、比恵遺跡や板付遺跡をはじめ弥生時代の遺跡が数多くあり、『魏志倭人伝』に記された 「奴国」の領域とされている。また、流域には古墳時代初期の那珂八幡古墳をはじめとする前方後円墳群が形成されており、ポスト「奴国」の「那縣」の勢力を 示している。最近では、雀居遺跡で弥生時代の一大集落跡が発見され、その出土遺物とともに注目をあびた。
この周遊コースは、JR博多駅を起点としたやや広域的なコースで、弥生時代の主な遺跡と古墳巡りを中心に据えたものであるが、中世の板碑なども 含んでいる。博多織会館から板付遺跡まで行った先は、埋蔵文化財センター、金隈遺跡、今里不動古墳を巡るコースと、諸岡から雑飼隈までの中世板碑を巡る コースに分かれる。